2002-03-22 [長年日記]

_ 「嫉妬」

波立つ、いや、ざわつくこころを扱いかねて、少しでも静めるために、重力に一切逆らわずに身体を床に横たえてみる。毛足の短いカーペットを通して、固い冷たい床の感触が伝わってくる。くったりと仰向けになり、力を抜く。ざわつくこころの痺れだけに感覚を集中する。

今わたしが感じているこの感覚がどこから来るのか、なぜそんな感覚に突然襲われるのか、その理由はよくわからない。わからないが、これがどういう感覚によく似ているかはわかる。そっくりの感覚を知っている。名付けるとするならば「嫉妬」。自分のものにならないとわかっている他人のものを手に入れたいと思う気持ち。

わたしは「嫉妬」と長く付き合うことがなかった。手に入らないとわかると、いつもあっさり諦めた。その方が楽だからだ。けれども、今のこの感覚は、なかなか振り払うことが出来ない。

理由がわからない、と書いたが、正確ではないな。実はよくわかっている。ただ、なぜ自分がそこからあっさり手を引けないのか、そういう自分がわからなくなっている。

これ以上は、もう書くまい。