2003-06-18 [長年日記]

_ 心配

2週間前、わたしの講義をとっているという1年の男子学生が突然やってきて、「先生、統一教会って知ってますか?」と言う。一瞬何を言い出すのかと驚いて、話を聞いてみると、サークルだと誘われて合宿に参加したら実はそれが統一協会で、自分でネットを調べてこれはやばいと知って、誰かに相談せずにいられなかった、という生々しい話だった。うかつにも、最近はめっきりその名を耳にしないと思っていたのだが、話を聞いて、今なおその手法は変わっていないことがわかる。

その学生は早く自分で気づいてよかったのだが、他にもその「サークル」にいる人がいて、その人のことも心配だ、という。で、何とかその学生を呼び出してもらって、会う。

会ってみると、本当に素直でまじめで、真剣にものごとを考える人物なのだ。典型的にはまりやすいタイプだ、と直感する。

すでに平日は合宿所で共同生活をしている、と聞いて、あまりに急激に生活が変化すると、誰でも自分を見失う危険性もあるから、とりあえずしばらく共同生活は中断したらどうか、と勧めてみる。

もともと宗教には疑いをもっていた、とか、やり方が強引かな、という気もちょっとした、とか、共同生活のことを親には話していない(話さないように言われた)とか、暇なんで暇つぶしみたいな感じもあった、とかいう、彼にとっては些細かもしれない引っ掛かりをとらえて、そういうところをもうちょっと落ち着いて考えてみたらどうだろうか、と促してみる。

そのためにも、しばらく協会の人とは距離を置くようにした方がいいと思うし、もし距離を置きたいと言っても引き止められるようなら、それはあなたが自分で判断できる自由を奪おうとしている危険なサインだと思った方がいいよ、と伝える。

あまりにも素直に「わかりました」と言う彼に、それ以上のことは言えなかった。が、果たしてこれでよかったか。1週間後にまた会う約束をして別れたのだが、その1週間がとても心配。