2003-03-28 [長年日記]

_ やっと

人が異動する季節。

今春修士課程を修了した院生のひとりからメール。修了式も謝恩会も、はっきり言ってすっぽかしたわたしに、わざわざ修了の挨拶メールを送ってくれたのだ。直接の指導学生というわけではないのだが、学部の頃から研究テーマが近いので、いろいろと接点が多かった人。

希望の企業から内定はとっていたのだが、補欠で入社時期がいつになるかわからない、と言っていて、ちょっと心配していた。それがつい最近になって4月1日採用が決まった、という報告。よかった、よかった。

以前ちょっと書いた、他大学に移る同僚。内輪の送別会の誘いがふたつほどあり、そのうちのひとつに参加したのだが、できればふたりだけでちょっと話したいなと思っていたら、彼女の方から、「3月いっぱいは研究室に来るから昼食でも」と言ってくれた。それで今日、車でちょっと外に出て、ふたりだけでイタリアン。

(周辺に大学関係者がいないので)当然話は、ついつい組織の問題点のあれこれ。彼女も去る立場ながら思い残すことは多々あるようで、聞くわたしは、「そうだね、その問題は、**委員長にちゃんと言っておく。**委員会の議題にしてもらう。」と請け負うことに。誰かがなんとかしないと、少しも良くならない組織の体質にお互いうんざりしている。わたしとしても、黙っていても共闘できた人が去るのは、正直言って淋しい。

でもしばらくして、「やだなあ、こんな話ばっかりで。」とふたりで大笑い。「もっと違う話がしたいよねえ。」そこからは、お互いの研究の話など。

そうして、ふと(同時に)気づく。なんで日頃ぎすぎすしてしまうのかというと、こういうアカデミックな話が自然にできる環境がなかったからなんじゃない?じゃあ、一丁始めるか、有志をつのって、それぞれの研究について領域を越えて話し合う場を作ろうか。

例えば、わたしのすぐ身近なある人。いろいろ難しい立場で、追い詰められているのはわかるが、最近必要以上に被害妄想的になっているような気がして心配だった。「彼女にも、ガス抜きが必要だよねえ。面白そうな研究やってるんだから、そういう話をしてもらおうか。」「うん、うん。」

そのあとは、あの人も、この人も、別領域ながら、実はあながち無関係じゃないよねえ、という話になり、だんだんとイメージが湧いてくる。

最初は、何かもっともらしいテーマを掲げて研究会を立ち上げようか、と思ったのだが、すぐに、いや、ただ、わたしが聞きたいから、と言ってお願いして集まってもらえば十分じゃないか、と気づく。大学を移る同僚も、「食事でもしようか、っていう誘いより、そういう話が聞ける場の方がいいよ。私も来るから。」と、大乗り気。

というわけで、わたしの近辺では、「出雲眞知子が知りたい、あなたの研究の話を聞く会」というのが、新年度隔月ペースでスタートする予定。

この1年間いろいろつらかったが、なんかこう、急に長いトンネルを抜け出た感じ。力が湧いてきた。

_ 言い訳

この日記、休みますと言っておいて、(いつものごとく)ぱらぱらと書き続けている。(じゅんじゅんさん、ごめんなさい。)

だから、休みます、とは言わないことだな。