2002-03-24 [長年日記]

_ 向こうから会いに来てくれた

今朝突然、小学校時代の親友から電話が来て、今新幹線でこちらに向かっている、お昼頃ちょっとだけでも会えないか、と言う。もう15年以上会っていないはず。思いもかけない電話に驚く。

ちょうど昨夜、家族で近くの川沿いに夜桜見物の散歩をして、この道はママが小学生の頃、仲良しの友達と毎日学校に通った道だよ、と子どもたちに話したところだった。娘が、その友達ってどんな人?髪は長い?短い?会ってみたいなあ、と言ったので、今は東北の方にいるからちょっと無理ね、と笑ったばかりだったのだ。そういう昨日の今日だったので、本当にびっくりする。実は午前中から出かけるつもりでいたのだが、もちろん予定を変更して彼女に会うことにする。

彼女は高校を卒業してから、最初、当時出来たばかりの国立大学の看護学部に入学したのだが、しばらくして神学大学に入り直し、結局父親と同じ牧師の仕事についた。そしてやはり牧師の息子で牧師になった人と結婚して、日本各地の伝道所を回った後、数年前から東北のある伝道所に落ち着いたらしい。

かつて彼女の父親が牧師をしていた教会(つまり彼女が育った家)が、見事な桜が両岸に咲く小さな川の近くにある。その教会の日曜礼拝にぎりぎり間に合うように出てきたと言う。礼拝のあとわたしの家に立ち寄りたい、ということだったが、午後は午後で予定があるらしいので、わたしの方が娘を連れて教会まででかける。

教会に着くと、ちょうど礼拝が終わったところらしく、久しぶりに訪れた前任の牧師の娘を取り囲んで、古くからの信者の人たちが、懐かしい思い出話に花を咲かせているところだった。彼女は今度高1になる娘と中1になる息子を連れてきていた。結婚して家を離れ、その後彼女の両親もこの地を離れ、その後彼女がこの教会を訪れたのは、今回で2度目だという。大きくなった自分の子ども達に、自分が育った場所を見せようと思ったのかもしれない。

ようやく人々が帰っていったあと、本当にわずかな時間だったが、久しぶりに話をした。結局夫と息子にも出てきてもらって紹介する。お互い「お母ちゃん」になったねえ、とか、双方の親の様子とか、相変わらず元気よくしゃべるのは彼女の方で、わたしは問われるままにあれこれ答えるだけ。

今朝突然の電話だったのだが、彼女の方はわたしに会うことを最初から目的にしていたらしく、お土産のほかに、自分の子ども達に選ばせたと言って、わたしの息子と娘それぞれに心のこもったプレゼントをくれた。そういえば、わたしは彼女の結婚式(もちろんそこの教会で挙げた)に参列したのだが、わたしの結婚式の時は、確か彼女がどこにいるのか所在がつかめなかったか何かで、来てもらえなかったのだった。彼女はそのことを覚えていて、子ども達へのプレゼントはその時の分だから、と言っていた。長年気にしていてくれていたらしい。

今度会えるのはいつになるかわからない。お互い孫でもいるような年になっているかもしれない。そうだとしても、何も変わらずにおしゃべりができそうな気がする。

(そんなことが突然あったので、今日の日記に書くつもりでいたことは、明日以降に。)